先月、10カ国(東南アジア・中国・欧州)から約80名の参加者が集まるGobi Partnersのリトリート(フィリピン)に参加し、様々な国の投資家やビジネス関係者(参加者はGobi Partnersのパートナー、アドバイザー等)と交流する中で、日本企業が東南アジアで成功するためのポイントが見えてきました。
本記事では、その学びを3つの視点から整理します。
日本は長年、製造業を中心に世界経済を牽引してきました。その実力や資本力を東南アジアに展開することで、多くの事業機会が生まれています。
特に、「やると決めたら実行計画を着実に進める力とその信頼性」は、日本企業の大きな強みです。
確かに、日本企業は決断に時間がかかることがあります。しかし、一度動き出せば確実に結果を出し、積み重ねによって揺るぎない事業基盤と人間関係を築きます。この姿勢は、東南アジアの投資家やビジネス関係者全体にも高く評価されています。
一方で、日本が直面している「世代交代の遅れ」や「内需依存」といった課題も無視できません。これを東南アジアの成長機会と掛け合わせ、日本企業が適応力や先読みの力を強化することが、今後の成功の鍵となるでしょう。
東南アジアで成功するためには、ビジネススキルだけでなく、関係構築の仕方が重要です。そのポイントは「オープンマインド」で接することにあります。
具体的には、
・自らの思いや価値観を積極的に共有する
- 日本人として東南アジアにいる理由を伝える
- これまでのイノベーション変遷で得たノウハウを当地に提供する
・相手について知っていることや、日本との接点を想起させる話をする
こうした双方向を意識した交流が、信頼関係を築き、結果的にビジネスの成功へとつながります。
東南アジアでのビジネス展開を考える際、以下の点を意識すると実践的です。
・単なる資本投下ではなく、現地のパートナーと協業する
・短期利益ではなく、長期的な視点で事業を進める
・日本の強みを活かしつつ、東南アジアの柔軟な発展速度に適応する
この地域で成功するためには、単なる「投資」ではなく、現地の文化や価値観を理解しながら「共に成長する姿勢」が不可欠です。実際、リトリートの場でも「現地パートナーとの協業がなければ成功しない」といった意見が多く聞かれました。
また、東南アジアでの事業はオーガニックグロース(ゼロからの立ち上げ)では、リソースの定着が難しく、ビジネス文化の違いもあり、ハードルが高いのが実情です。そのため、戦略的な資本投下やスモールサイズのM&A(小規模の企業買収)を活用することが、ひとつの有効な手段となり得ます。
日本企業が東南アジアで成功するためには、「日本の強みを活かしつつ、相手を理解し受け入れながら進めること」がカギとなります。確かな実行力と信頼関係を基盤にしつつ、柔軟性や適応力を磨くことで、新たな事業機会をつかむことができるでしょう。
そして忘れてはならないのが、日本のブランド力です。今回のリトリートでも、多くの参加者が「日本が好き」「日本製品をリスペクトしている」「日本人の勤勉性は目を見張るものがある」と話していました。これは、単なる社交辞令ではなく、日本の製品や文化に対する真の評価です。東南アジアでビジネスをする際、この「日本ブランド」によるアドバンテージを最大限に活かすことが、成功の重要な要素になるでしょう。
日本人としての強みを理解し、相手と共に成長する姿勢を持つことで、東南アジアでの新たな可能性が広がるはずです。
なお弊社では、マレーシアを中心に東南アジア市場でのソーシングやM&A、戦略的な資本投下のサポートを行っております。企業の成長戦略に合わせた適切なパートナーシップの構築を支援し、持続可能な事業展開を共に目指します。
ご関心のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
※リトリートはビーチサイドのホテルを利用しリラックスできる環境にて実施されました